「手待ち△4二金直」までの指し手
前記事では「基本図」からすぐに居飛車が攻める形を調べましたので、本記事では左図のように居飛車が△4二金直と手待ちをする形について考えましょう。居飛車の手待ちとしては△4二金直の他に△9四歩も考えられますが、△9四歩の場合は▲9六歩と四間飛車も端歩を突き返すことが多いと思いますので△4二金直を中心に考えます。
△4二金直とすぐの仕掛けを放棄してきたため、四間飛車は1手指さなければなりません。四間飛車の陣形が現在最善形なので、1手指させてそれを崩させようと居飛車は考えているわけです。「続きを読む」からここからの四間飛車の指し方についていくつかみていきます。
「△4二金直+▲4六歩型」までの指し手
まずは▲4六歩とする形から。概観1ではさほど良くない手とされていたこの▲4六歩ですが、もう一度概観1を見直してみましょう。
- 攻め筋1に対して▲4六歩が悪手になったのは、「攻め筋1 四間飛車失敗図」を見ていただくと分かるとおり▲5六歩を突いていなかったために△5五銀と出られ、△4六銀と歩を掠め取られる手が生じたためでした。つまり、▲5六歩と突いてさえいれば▲4六歩と突いても構わないということです。
- 攻め筋2では「攻め筋2 四間飛車失敗図」、「攻め筋2 四間飛車成功図」のどちらにも▲4六歩は関係ありません。
- 攻め筋3、攻め筋4では元々▲4六歩がさほどマイナスにはなっていませんでした。
このように「手待ち△4二金直」から▲4六歩と突くのは悪手ではないことが分かります。「棋譜でーたべーす」によるとこの形の将棋がかなり多いようです(詳しくは「RAJC研究WIKI ▲四間飛車△斜め棒銀」を御覧ください)。また△4二金直▲9六歩△9四歩▲4六歩と端の交換を入れて▲4六歩と突く形もありえます。


「△4二金直+▲9七香型」までの指し手
これから2つは9筋の突き合いを入れた形を生かそうとする手待ちを見ていきます。1つ目は9七に空いたスペースを利用して▲9七香と1つ上がる手待ちです。何がなんでも▲4六歩は突かないという四間飛車の主張ですが、手待ち以外の狙いが全くない手であるためか、「棋譜でーたべーす」にはあまりありませんでした(数少ない例:「矢橋修 vs 瀬川晶司」)。


「△4二金直+▲7九飛型」までの指し手
最後は9筋の突き合いを入れて▲7九飛と引く形です。これは当ブログにおいて定跡研究「斜め棒銀【7九飛型】」として扱った形です。9筋の突き合いが必要なことは次の手順で分かります。
「▲7九飛型 有力な攻め筋」までの指し手
飛車を引くと△8八歩と桂頭に打つ筋が生じます。▲同角と取ると△8六飛と捌かれるので歩を取ることができず▲9七桂と逃げるしかありません。9筋の突き合いがないと▲9七桂ができないため、簡単に不利になってしまいます。ただ▲9七桂とかわした形も御世辞にもいい形とは言えないので、この▲7九飛型はあまり四間飛車が好んで指す手ではない気がします。「斜め棒銀【7九飛型】」は9筋の突き合いがない形で研究しているので、この攻め筋で簡単に悪くなってしまうのですが、斜め棒銀の戦いの具体例を見るのに多少は役に立つだろうということで削除せずに残しておきます。2005年の記事は、今となっては貴重ですしね。


概観1、2を通して「4七歩、5六歩、9八香型」が対斜め棒銀最善形であること、そして駒組みの順序は1. ▲5六歩(まず「攻め筋1 四間飛車失敗図」を避ける)、2. ▲9八香(この香上がりは何かと得が多い)、3. ▲4六歩(できるだけ指したくない手ですが、▲5六歩と先に指していればさほどマイナスになりません)であることがわかりました。
